心に残る生徒たち

エピソード1

じっと座っていられず、貧乏ゆすり。ときどきうなり声をあげたりしていたあなたには、塾の先生が遠くから連れてこられていましたね。殆ど答えてもくれないあなたでした。もともと天然気質の新米校長はそんなことを気に留めもせずにいました。
2年目にはマスクをし、ニットの帽子を深くかぶって、眼だけがキョロっと見えていました。別室で塾の先生と一緒に出された課題を勉強していました。
3年目のスクーリングの時、「先生」と声をかけられたので、「えっ、あなただあれ」。年にあうのは数回、眼だけキョロでは顔を覚えることもできません。実はなかなかイケメンなのでした。

前回のスクーリング時に、校長先生が言葉をかけてくれたので、自信を付けそれから変わりました。と付き添いの先生から言われました。そんな魔法の言葉を使ったかしら。でも、うれしいことです。やはり教室に入れなかったもう一人とお友達になりました。二人一緒に今回は教室にもはいれました。
最後のスクーリングの時には、就職が決まったといってくれました。温泉地なのでホテルの仕事だそうです。親御さんがとっても感謝していると、塾の先生がつたえてくれました。入学の時のあの彼は甘ちゃんだったのだろうか。生徒たちの成長はこんなものかもしれません。塾の先生、ご苦労様でした。

エピソード2

中学3年間、高校2年間、一日も学校に行ったことがないというあなた。高校の先生から、どこか知的なものを感じる生徒なので、先生の学校で見てやってくださいと転学してきました。
一年目、初日始業式に、駐車場まで来ていますがとお母さんからの電話。ベテラン校長だった花形先生と式後に駐車場に駆け付けました。ようやっと一言言葉を交わすことができました。
次に顔を見せてくれたのは、12月の「花園寄席」。お笑い鑑賞は本校の開校以来の企画です。無言。この年の単位はこのお笑いの出席と総合学習のレポートで1単位取得。まだまだ先は長い、いつになるのかな、だいじょうぶかなと思っていました。
ところが、4ヶ月経ち、2年目の始業式以降はなんと皆勤です。レポートも何とか定期的に届きます。中学校からのほぼ6年続いた不登校生活も終わりがありました。そうして編入学して4年目、卒業の時を迎えました。やればできるのです。エンジンがかかるのに長い時間が必要だったのでしょう。
卒業証書は手にしたけれど、就職や進学はちょっと休憩だそうです。それもまた個性なのです。もう少し待ってみましょう。

エピソード3

中退したまま、結婚し、子育てに入り、それでも頑張りたいと編入学してこられたあなた。
幼稚園小学校と3人のお子さん連れで、山にも登りました。
お子さんの入院でスクーリングに出られず、単位取得もずれ込んでしまいました。
でも、初志貫徹、さらに希望通り准看の学校も卒業されましたね。病院で立派に働いてくれていますと院長先生からききました。
いつからでも、志あれば周りが手を差し伸べてくれるものです。

お子さんを連れての卒業証書授与式、あなたの涙にこちらももらい泣きでした。(写真はイメージです)

エピソード4

数千人も生徒のいる県立の通信制高校から転学してきたあなた。前籍の状態を聞き合わせたら、生徒が多すぎて、分からないといわれました。ところがさすが先生、数日後にありましたとご連絡。今と違ってデータ管理が進んでいない時代でした。ほんの数年前ですのに。先生、きっと額に汗して書類を探されたのでしょう。
とにかくエネルギッシュなあなた。資格もたくさん持っていて、まだ学校にも通っていましたね。卒業式の日も、時間の都合が付かないあなた。ファミレスでやっとあえて、卒業証書をお渡ししました。一緒に仕事をする後輩はいないかなといっていましたね。いるといいですね。
また資格をふやしたかな。高卒でないと取れない資格はかなり多いのです。

 

エピソード5

明るくて、やさしくて、スポーツが得意で、どうして学校に行かなくなったのかと不思議に思うようなあなたでした。レポートもスクーリングも真面目にこなし、笑顔の素敵なあなた。卒業してすぐの夏に学校再訪。大学を卒業した後にも、お母さんと一緒に家を訪ねてくれましたね。
この次は、結婚式の写真でも送ってください。新しい幸せはもうすぐそこに来ているように思います。

 

 

 

皆さん可能性を持っています。
幸せになるご支援ができれば本校の喜びです。
(校長)